
『涼宮ハルヒの憂鬱』とは
『涼宮ハルヒの憂鬱』とは、谷川流(たにがわ ながる)さんのライトノベル小説『涼宮ハルヒの憂鬱』シリーズを原作としたテレビアニメです。
ごく平凡な少年だった主人公、キョンの運命は、高校の入学式の日、後ろの席となった涼宮ハルヒという少女に出会います。「東中出身、涼宮ハルヒ。ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、私のところに来なさい」という涼宮ハルヒのセリフをきっかけに、キョンの生活が日常から非日常へと変わり……というストーリーです。
原作小説は2003年に「スニーカー大賞」大賞受賞、2005年に「このライトノベルがすごい!」グランプリ獲得など、高評価を得ています。また、アニメは京都アニメーション制作でクオリティも高く、風景描写や人物描写が素晴らしいと評判です。そのおかげか、放送開始は2006年と20年近く前の作品ですが、人気は未だ衰えていません。
『涼宮ハルヒの憂鬱』の舞台
『涼宮ハルヒの憂鬱』は、キョンとハルヒが通う高校のモデルとされる学校が兵庫県西宮市にあることから、聖地巡礼スポットも西宮市を中心に点在しています。
西宮市は『涼宮ハルヒの憂鬱』シリーズで、2019年から2024年まで5年連続で「訪れてみたい日本のアニメ聖地88箇所」に選出されており、2019年には記念プレートや御朱印も贈呈されています。記念プレートは、後述する聖地②の北口公園に面した野村證券西宮支店のショーウィンドーに飾られていましたが、野村證券西宮支店の移転に伴い市に返却されました。御朱印は、聖地⑤でご紹介する「自家焙煎珈琲屋ドリーム」に設置されています。
『涼宮ハルヒの憂鬱』の世界を味わえるスポット
それでは、『涼宮ハルヒの憂鬱』の具体的な聖地巡礼スポットを見ていきましょう。
聖地①兵庫県立西宮北高等学校
まずは「兵庫県立西宮北高等学校(ひょうごけんりつにしのみやきたこうとうがっこう)」です。
原作者の谷川流さんは西宮市出身で、『涼宮ハルヒの憂鬱』に出てくる「県立北高校」は西宮北高校がモデルだとされています。中に入って見学することはできませんが、校門の奥に見える校舎は、アニメで見た校舎が飛び出してきたかのようにそっくりです。
県立西宮北高校の最寄り駅は、阪急電鉄の「甲陽園駅」です。キョンは電車通学という設定で、この駅を使っていたため、駅も聖地巡礼スポットとなっています。近畿の駅百選に選ばれたこともある、歴史ある駅舎です。駅から学校までは約2kmと距離がありますが、駅付近の階段や、学校の前の坂(通称「ハルヒ坂」)も聖地のひとつなので、歩いて行くのもおすすめです。
2025年には兵庫県立西宮甲山高校と統合され、「西宮苦楽園高校」に校名が変更されることになっています。校舎や施設は西宮北高校のものを使うことが発表されていますが、「県立西宮北高校」を見られるのはあと少しです。
学校も駅も坂も、観光地ではなく、学生や地元の住民の方の生活の場です。訪れる際は、ルールとマナーを守って見学しましょう。
聖地②西宮北口駅周辺

「西宮北口駅(にしのみやきたぐちえき)」周辺にも、聖地巡礼スポットがあります。なお、阪急電鉄の今津線と神戸線の乗換駅に西宮北口駅という駅があります。「西宮駅北口」ではありませんので、注意しましょう。
まず、北改札出口を抜けた先に見えるのが「北口駅前公園」です。ここは、ハルヒたちSOS団が集合場所として使っていた場所です。改修工事が行われたため、アニメとは異なる風景になってしまいましたが、一度撤去された時計台がファンの強い要望を受けて再設置されるなど、ハルヒの人気の高さを伺わせます。
聖地③新池
SOS団の団員である朝比奈みくるが、同じく団員の長門有希(ながと ゆき)に池に落とされるシーンがあります。その落とされた池、通称「みくる池」のモデルが「新池(しんいけ)」です。
西宮市内には、市が管理する貯水池が29ヵ所あります。新池はそのひとつで、主に大雨などによる洪水を防ぐために設置されています。
聖地④夙川公園

作中に登場する「祝川」は、朝比奈みくるがキョンに自分の正体を告白した場所で、聖地巡礼スポットの中でも注目されることが多いです。この祝川のモデルとなったのが夙川公園(しゅくがわこうえん)です。アニメだと駅から近そうな描写になっていますが、実際には西宮北口駅から約3キロ離れたところにあります。
夙川公園は「さくら名所100選の地」に選ばれるほどの桜の名所で、シーズンには多くの花見客で賑わいます。また、夙川河川敷緑地と呼ばれることもありますが、だいたい同じエリアを指しています。
聖地⑤自家焙煎珈琲屋ドリーム
「自家焙煎珈琲屋ドリーム(じかばいせんこーひーやどりーむ)」は、西宮北口駅から徒歩3分のところにある喫茶店です。ハルヒたちが集う喫茶店のモデルとされており、ファンノートや「訪れてみたい日本のアニメ聖地88箇所」に選出されています。店内にはその際に贈呈された御朱印が置かれた「ハルヒコーナー」があります。お店の周年イベントでハルヒのクリアファイルを配布するなど、作品とのつながりを大事にしているお店です。
ハルヒファンに人気のメニューはクリームソーダですが、コーヒーに対するこだわりは並々ならぬものがあり、非常に美味しいコーヒーをいただけます。また、ワッフルも人気メニューとのことなので、訪れた際にはぜひ注文してみてはいかがでしょうか。
このお店のオーナーである細海研一さんは、2017年に亡くなられています。奥様はお店を閉めることも検討されていましたが、常連客やアニメファンの「閉めないで欲しい!」という熱い声におされて、一人で切り盛りできる規模の現在のお店に移転しました。モデルとなったのは移転前の店舗ですが、ハルヒに出てくる喫茶店を思わせる内装は現在でも引き継がれています。
聖地⑥西宮市中央図書館
アニメでキョンと長門が訪れていた図書館は、「西宮市中央図書館(にしのみやしりつちゅうおうとしょかん)」がモデルです。アニメ版のモデルはこちらの図書館ですが、原作では西宮北口駅に直結する「西宮市立北口図書館」がモデルになっています。
公共施設ですので、開館時間内であれば中に入ることはできますが、写真を撮ったりすることはできません。また、図書館ですので私語を慎み、静かに見学しましょう。
兵庫県西宮市で『ハルヒ』の世界を体感しよう!
ここまで、『涼宮ハルヒの憂鬱』シリーズの聖地巡礼スポットについてみてきました。
各スポットは比較的近いエリアにまとまっているため、1日で見て回ることができるのではないでしょうか。
実際に歩いて登場人物たちの目線になって巡るのも、レンタサイクルや公共交通機関などを活用してなるべく多くのスポットを巡るのも、どちらもおすすめです。








