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アイヌ文化では、カムイ（神格を持つ霊的存在）がいたるところに遍在すると考えられてきました。自然の中にある湖や沼、池もそのひとつ。聖地として崇められてきた場所も少なくありません。アイヌ語地名の意味も知れば、見るものを魅了するその美景が、より深く心に刻まれるはずです。
究極の透明度に魅了される 〜神の子池（清里町清泉）〜
北海道の内陸部・清里町にあり、神が宿るとされる摩周湖（＝カムイトー）の伏流水からできたと言い伝えられてきた小さな池。そこから転じて「神の子池」と呼ばれています。水温が年間通して8℃と低温で、菌が繁殖しにくいため、倒木が腐らずにその姿を保ったまま沈んでいる様子はまさに神秘的。その透明度と水の青さから、パワースポットとしても人気です。周囲220m、水深5mと小さな池ですが、伏流水は1日約1万2000tと豊富。その水は斜里川へと注いでいます。
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五つの顔をもつ秘境の湖 〜オンネトー（足寄町茂足寄）〜
道東の阿寒摩周国立公園の西端、雌阿寒岳の麓にあり、アイヌ語で「年老いた、大きな沼」という意味を持つ「オンネトー」。北海道三大秘湖の一つで、季節や天候、時間帯によって赤や紫など、湖の色が変わることから「五色沼」とも呼ばれています。通常時の独特な青色は〝オンネトーブルー〟として親しまれています。
よく晴れた日には、雌阿寒岳（めあかんたけ）と阿寒富士の2つの名峰を、湖と一緒に見られる絶景のビュースポットとしても人気です。
湖からほど近い場所には「オンネトー湯の滝」という小さな滝があります。赤松の原生林に囲まれたこの滝は、上流から温泉が湧き出ているため、手を浸すとかすかに温かいのが特徴。オンネトー南岸の駐車場からは徒歩で10分ほど。足を伸ばして、自然の不思議な現象を肌で感じてみては？
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ウサギの鳴き声が聞こえる？ 〜東雲湖（士幌町上音便）〜
こちらも北海道三大秘湖のひとつとなる東雲湖（しののめこ）。然別（しかりべつ）湖畔の白雲湖登山口から徒歩1時間30分ほどの山道を歩かないと目にすることができない湖です。北海道中央部にある大雪山国立公園の南端に位置しています。
湖の周辺には、北海道にのみ生息しているとされるナキウサギという珍しいウサギが見られます。アイヌ語で「チチッ・チュ・カムイ（＝チチッと鳴く神様）」と呼ばれ、縄張りの岩場を馳けまわる姿から、「岩場の神様」ともいわれています。湖を眺めていると、甲高い鳴き声を耳にすることができるかもしれません。
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カムイの世界を映す鏡？ 〜大雪山旭岳 姿見の池（東川町勇駒別）〜
北海道のほぼ真ん中に位置する大雪山。その最高峰である旭岳は、アイヌ語で「カムイミンタラ（＝神々の遊ぶ庭）」と呼ばれてきました。その中腹にある「姿見の池」に映る逆さまの旭岳を、アイヌの人々はカムイの世界と思ったのかもしれません。
今も活動する活火山である旭岳の山腹からは水蒸気が吹き出し、大自然を肌で感じられます。標高2290mの旭岳、山頂まではそれなりの準備と時間が必要ですが、標高1400mの姿見の池までなら、ロープウェイを利用すれば、簡単に到着できます。旭岳ロープウェイ姿見駅が起点のハイキングコース「姿見の池周遊コース」は、所要1時間ほどです。
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泊まるなら、道央観光の起点となる旭川のホテルへ
上記4つのスポットを訪れるなら、宿泊は「Tabist THE GREEN ASAHIKAWA」へ。JR旭川駅から車で約5分、旭川空港からは車で約30分。部屋数は45室で、シングル、ツインデラックス、トリプルの3タイプから選べます。
同じく旭川市内にあるのが、「Tabist ダイバーシティホテル シン トキワ 旭川」です。こちらは全室和室で、1〜4人部屋から選べます。
原生林に抱かれた魅惑のブルー 〜オコタンペ湖（千歳市奥潭）〜
3つ目の北海道三大秘湖は「オコタンペ湖」。ここは、札幌から車で約1時間弱南下した、支笏湖のそばに位置しています。オコタンペとは、アイヌ語で「川下に集落がある」という意味。この湖を水源とするオコタンペ川が支笏湖へと注ぐ地点に、かつてアイヌのコタン（村）がありました。彼らはそこで、アメマス漁を生業としていたそうです。
「オコタンペ湖」は鬱蒼と茂る原生林に囲まれ、見る角度や時間帯によって湖の色がエメラルドグリーンやコバルトブルーなどに変わることで有名です。湖畔の美しい原生林を保護するため、一帯は森林生態系保護区域に指定されており、湖のそばまでは立ち寄れません。道道78号にあるオコタンペ湖展望台からの眺めを堪能しましょう。
※2022年8月末現在、道道78号は災害により通行止め中
