
『氷菓』のあらすじ
『氷菓』は、日常の中での謎を解いていく推理アニメです。
省エネがモットーの主人公、折木奉太郎(おれき ほうたろう)は神山高校に入学したばかり。海外を渡り歩く姉からの手紙がきっかけで、不本意ながら姉が在籍していた古典部に入部することになります。古典部は部員不足で廃部寸前で、部員が自分1人だけなら気楽で良いだろうと考えていた奉太郎ですが、いざ入部してみると、同じく1年生の千反田える(ちたんだ える)もいました。そこに中学からの腐れ縁である福部里志(ふくべ さとし)と伊原摩耶花(いばら まやか)も合流して、古典部は部員4名になります。活動目的は不明のままですが、ひとまず廃部の危機を免れました。そして、えるの強い好奇心がきっかけで、奉太郎たちは日常に潜むさまざまな「事件」を推理していくことになる──、というストーリーです。
推理ものでありながら、学園ものの要素もふんだんに織り込まれているため、「青春ミステリ」と呼ばれています。
『氷菓』の舞台
『氷菓』の舞台は岐阜県高山市と言われています。高山市は原作者である米澤穂信さんの出身地でもあります。
自然豊かな街で、春はお花見が、冬はスキーが楽しめます。また、昔ながらの街並みも見所のひとつとなっています。
高山市では、市をあげて『氷菓』の聖地巡りを後押ししています。
「氷菓舞台探訪マップ」も制作されており、「飛騨高山観光案内所」「飛騨一宮水無神社」「アルプス街道平湯」「平湯温泉宿泊案内所」「高山市図書館 煥章館」「中橋観光案内所」「市内店舗」などで入手可能です。また、高山市のホームページからもダウンロードできるため、事前に確認して旅の計画を立てるのにもおすすめです。
『氷菓』の聖地7選
『氷菓』の聖地のうち、代表的なものを7つご紹介します。ここでご紹介するスポットのほかにも『氷菓』の聖地は多数ありますので、ぜひ「舞台探訪マップ」も参考にしてください。
スポット①高山市の古い町並み

まずご紹介するのは高山市の「古い町並み」です。奉太郎と入須冬実が対峙した「喫茶店一二三」のモデルとなった「喫茶去かつて」があるのが「古い町並み」です。
「古い町並み」というのは、ただの古い町のことではなく、城下町の中心、商人町として発展した高山の上町、下町それぞれの三筋を「古い町並み」と呼んでいます。三町(さんまち)と言われる上三之町、上二之町、上一之町、片原町、神明町4丁目にわたる東西約150mの地域は1979年に「高山市三町伝統的建造物群保存地区」として国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。1997年には片原町南部、上二之町南部、神明町4丁目の一部も重要伝統的建造物群保存地区に追加されました。
出格子(でごうし/外に張り出して造った格子)が続く軒下には用水路が流れており、造り酒屋の軒先には杉の葉を玉にした「酒ばやし」が吊り下がるなど、江戸時代かのような光景が続きます。
上町は飲食店が多く、飛騨名物のみたらし団子や飛騨牛の串焼き、飛騨牛の握りなど、その場で食べられる商品が売られているお店も多いです。下町は菓子、餅屋、骨董屋、農機具、畳、文房具、郵便局、料理屋など市民生活に必要な商店が多いです。
ポット②高山市図書館「煥章館」

アニメ第18話で登場する「神山市図書館」のモデルとなったのが、高山市図書館「煥章館(かんしょうかん)」です。
西洋風の建物の高山市図書館「煥章館」は図書館、高山市近代文学館、生涯学習ホールの3つの機能をもつ複合施設で、2004年4月に旧市役所跡地に開館しました。「煥章館」という名称の由来は、明治時代、飛騨地域近代学校創立の先駆けとなった煥章学校にあり、「地域の輝かしい文化を築く拠点」という願いを込めて名付けられました。 一般の公共図書館ですので見学は可能ですが、館内の写真撮影をするには許可が必要です。また、館内では他の利用客の妨げにならないように、静かに過ごしましょう。
スポット③まるっとプラザ
聖地巡礼をする上で、まず訪れたいのが「まるっとプラザ」です。まるっとプラザは飛騨高山のアンテナショップで、高山市本町、JR高山駅から徒歩10分ほどの場所にあります。まるっとプラザでは聖地巡礼マップが手に入るだけでなく、展示品も数多くあります。
ショップには「氷菓交流コーナー」が設けられており、自由に書き込めるノートや、写真専用のコルクボード、記事のスクラップなどがあります。また、氷菓関係者からのサイン色紙や、える役の声優・佐藤聡美さんのファンイベントで展示されていたエプロンも展示しています。
スポット④弥生橋

アニメのオープニングに出てくるのが「弥生橋」です。えるが奉太郎から入部届を受け取った場所でもあります。
弥生橋は、宮川朝市通りを北へ歩いて5分のところにある、人通りの少ない穴場スポットです。以前はアニメのように弥生橋の下にクロスするかのようにかかっていた小さな太鼓橋がありました。しかし、豪雨災害により損壊撤去され今はもう見ることができません。
また、弥生橋の近くには国の重要文化財に指定される「日下部民藝館」や「吉島家住宅」などがあります。近くには有料駐車場もあるため、車で訪れることも可能です。
スポット⑤鍛冶橋

「鍛治橋」もまた、アニメのオープニングや第18話などに登場しています。高山市街地の中心を流れる宮川に架かる、石造りの荘厳な橋です。橋の中央には、春の高山祭の屋台「恵比須台」に飾られた彫刻の「手長像」と「足長像」があります。
また、橋の付近にある交差点や歩道などもアニメに登場しているので、周辺を散策することもおすすめです。弥生橋と同様に、近くに有料駐車場があるため、こちらも車でも訪問可能です。
スポット⑥バグパイプ
「バグパイプ」は、高山市片原町にある喫茶店です。作中に登場した喫茶店「パイナップルサンド」のモデルとなったお店です。JR高山駅から徒歩で10分、古い町並から歩いて数分のところにあります。
昔ながらの和と洋の雰囲気が合わさったような建物が、独特のレトロな空間を作り出しているお店です。落ち着いた雰囲気のこのお店は、地元民の憩いの場にもなっているのだそうで、常連客も観光客も一緒にくつろいでいます。 アニメでは建物が忠実に再現されており、数個ある掛け時計や、鏡台などもそのままです。お店では、おいしい水出し珈琲や自家製ケーキなどが楽しめます。
スポット⑦喫茶去 かつて
奉太郎がアニメ第10話で先輩である入須冬実(いりす ふゆみ)と対峙していた「喫茶一二三(ひふみ)」のモデルとなった喫茶店です。JR高山駅東口から徒歩10分、岐阜県高山市上三之町、古い町並みの中に位置しています。
「喫茶去」には、禅語で「お茶でも一杯いかがですか?」という意味があります。格子窓越しに古い町並みや行き交う人々、人力車などを眺めながら、ゆっくり一服しませんか、という意味を込めて店名がつけられました。
2024年3月現在は店舗改装のため休業中ですが、営業再開日は公式ホームページでお知らせされるそうです。
聖地巡礼とあわせて飛騨高山を堪能できるグルメ
飛騨高山は古きよき町並みと『氷菓』の聖地を楽しめる場所でもありますが、グルメの聖地としても有名です。
ここでは、聖地巡礼とあわせてめぐりたい飛騨高山グルメをご紹介します。
グルメ①高山ラーメン

「高山ラーメン」は、飛騨ラーメン、飛騨高山ラーメンとも言われています。和風だしの醤油スープに、細めの縮れ麺が入っているのが主な特徴です。
高山ラーメンの発祥は、1938年に「まさごそば」が屋台で売り出したものが始まりと言われています。現在では30店舗以上のお店で高山ラーメンが提供されています。
グルメ②飛騨牛

グルメ③漬け物ステーキ
「漬物ステーキ」は白菜などの漬物を鉄板で焼き、卵でとじた飛騨の郷土料理です。現在のように物流が発達する前の雪深い高山では、漬物は冬場の貴重なビタミン源でした。
ご飯のお供にも、お酒のアテにもピッタリな漬物ステーキ、ぜひ食べてみてください。
高山で『氷菓』の聖地とグルメを楽しもう
『氷菓』の聖地巡礼スポットについてみてきました。比較的高山駅から近いところも多いので、聖地巡礼がてら散策するのも楽しいのではないでしょうか。
また、聖地をめぐるだけでなくおすすめのグルメもたくさんあるので、高山へ行かれる際はグルメ情報もぜひ調べてみてください。
飛騨高山は元々観光地でもあるので、聖地巡礼目的でない方もたくさんいらっしゃいます。ルールやマナーは守って、聖地巡礼を楽しみましょう。
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