
米と米麹、水を発酵させたお酒、どぶろく。透き通った清酒とはことなり白濁したどろりとしたお酒で、日本で古くから造られてきた伝統的なお酒です。なんとなく新潟や青森、岐阜の山奥で造られていそう…というイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、実は東京都内でも製造しており、しかもできたてのどぶろくを味わえるところがあるんです。早速訪れてみましょう。
平和どぶろく兜町醸造所
最初に訪ねたのは2022年6月17日にオープンしたばかりの「平和どぶろく兜町醸造所」。和歌山県海南市で昭和3年に創業した老舗酒蔵「平和酒造」が手がけるどぶろくのクラフトバーです。平和酒造の代表銘柄といえば「紀土(きっど)」。紀州の風土を生かした日本酒は、果物のようなみずみずしい香り、柔らかな米の風味、爽やかな喉ごしで、近年特に注目を集めています。
その平和酒造が醸造所を構えたのは東京・日本橋。金融街の一角に突如として、できたてのどぶろくを提供するバーが誕生しました。地下鉄茅場町駅からすぐ。木をふんだんに使用したスタイリッシュな建物が目を引きます。

店内はカウンターのみで15席程度。スマホからオーダーするスタイルで、支払いはキャッシュレス。現金は使えません。

おや?正面の壁にはタップが並んでいます。実は平和酒造はビール作りにも意欲的で、レッドエールはミネアポリスで開催された『World Beer Cup 2022』で金賞を受賞するという快挙を達成。ビールもぜひとも味わいたいのですが、まずはどぶろくから。
この日メニューに載っていたのは限定のものを合わせて6種類。そのなかから「小豆」をチョイスしました。出てきたのはなんとホーローの鍋。ここからお玉ですくってサーブしてくれます。

こちらが小豆のどぶろく。小豆の香ばしさと、クリーミーな口当たり。甘さ控えめの大人のアイスクリームといった感じです。アルコール度数も低めでこれは何杯でもいけてしまいそう。そのほか「黒豆」「ホップ」「レッドエール」「十八穀米」「梅」などのフレーバーがありました。

ちなみにこちらは平和どぶろくの「プレーン」。和歌山の本蔵で醸造したどぶろくで、すっきりとした味わいです。瓶でも購入できます。

もうひとつスペシャルなメニューをご紹介しましょう。それは樽生純米大吟醸。サーバーから注がれる微発泡の純米大吟醸は、酒蔵で垂れ口から飲む味わいと瓜二つだとか。
シュワっとした口当たりが楽しい、夏にぴったりの味わいです。

続いてビールも味わってみます。「ペールエール」や「ホワイトエール」など定番のメニュー5種類に、季節限定の「夏みかんエール」、「YUZU IPA」の2種類の、計7種類をラインナップ。WBCで金賞を受賞したレッドエールは、ほどよいカラメル香があり、爽やかな苦味のあるキレのよいビール。少し時間をおくと香りも味も開いてくる印象です。

山椒のポテトチップスやサバ寿司などの軽食も用意されています。13時からオープンしているので、昼下がりにふらりと訪れて一杯、という使い方もできますよ。
平和どぶろく兜町醸造所
住所:東京都中央区日本橋兜町8-5
電話:03-6264-9457
営業時間:13:00~22:00
定休日:なし
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木花之醸造所「ALL(W)RIGHTオーライ-SAKE PLACE-」
浅草駅から徒歩5分ほど。おしゃれなカフェやレストランが点在する路地裏、目指す木花之(このはなの)醸造所があります。

2020年6月にオープンしたどぶろく醸造所。入口付近には仕込みタンクや麹室があります。

店の奥はソファが配された落ち着いた空間。併設の醸造所で造られているどぶろくのほか、日本酒やクラフトビールなどを味わうことができます。

この日のどぶろくは、定番の「ハナグモリ」のほか「ハナグモリthe酸」「ホップ酒スムージ」の3種類がありました。初めてならば、飲み比べセットがおすすめ。爽やかな甘味や酸味…それぞれに魅力的な味わいです。

実はこの醸造所、若き杜氏たちが自分の腕を磨くために来る修業の場でもあるそう。小さな醸造所では、酒造りの全ての工程に携わることができるうえ、バーを併設しているため、飲み手の感想がダイレクトに届くのもメリット。いずれは独立する夢を抱き懸命に腕を磨く若き醸造家と、それを応援する醸造所。現在のどぶろくは、前杜氏の味わいを踏襲したものでありつつ、今の杜氏の解釈が加わっているため、去年とは微妙に味わいが違うそう。常に変化し続けるどぶろくも、木花之醸造所の魅力のひとつなのです。
木花之酒造「ALL(W)RIGHTオーライ-SAKE PLACE-」
住所:東京都台東区駒形2-5-5
営業時間:17:00~22:30(土・日曜、祝日15:00~22:00)
定休日:なし
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はせがわ酒店グランスタ東京店「東京駅酒造場」
なんと東京駅の駅構内にもどぶろくの醸造所があるんです。都内に7店舗の酒販店を営む「はせがわ酒店」がオープンした醸造所は、その名も「東京駅酒造場」。駅構内にどぶろくの醸造所があるのは、世界でここだけでしょう。
忙しく往来する人々が映し出すガラス張りの小さな醸造所では、ステンレスのタンクや瓶詰めの機械があり、今日もせっせと瓶詰めを行う姿がありました。

瓶詰めされたどぶろくは隣接のショップで購入することができますが、ここはぜひ、バーでできたてのどぶろくを味わってみましょう。タイミングが良ければ生どぶろくに巡り会えるかも。
火入れしていない生どぶろくは、口のなかでプチプチとはじける気泡が快感。適度な甘味、酸味があり、食前にも食後のいっぱいにも最高です。おつまみは玉子焼きやつくねなどの軽食を用意。乗り換えの間にスタンディングでさっと楽しめる気軽さが魅力です。

造り酒屋の軒先に吊され、新酒ができたことを知らせる杉玉があるのもチャーミング。この日は売り切れでしたが、桃など季節のフルーツを使ったどぶろくも人気のよう。また、日替わりで日本酒も用意され、日本各地の名酒を楽しむことができます。

はせがわ酒店 グランスタ東京店
住所:東京都千代田区丸の内1-9-1 JR東京駅 B1F 「グランスタ東京」内
営業時間:7:00~22:00
定休日:なし
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